校歌の風景を見つめよう。みんなおいでよ!浦添のまち
学習のねらい |
- 「校歌」に詠われる「古城」、「極楽山」などの「場」の意味や由来にふれ、身近な風景の大切さや人の思いに気づかせる。
- 体験学習や調べ学習を通して、人との関わりの中で地域の良さを再発見し、自分が住む「浦添のまち」への誇りと愛着を育てる。
- 「浦添らしい風景」や「いいところ」など、自らの学びや考えをまとめ(表現し)、人に伝えることができる。また、今後の学習に生かすこと
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学習活動 |
学校長の助言をもとに、総合学習の枠組みに風景学習をカリキュラム化した。「校歌」の情景から「浦添のまち」学習活動を進め、児童が主体となった発表会を行った。
- 講話+グスク探検:“校歌の風景を見つめてみよう”を切り口に、ゲスト講師を招いて身近な場の意味を捉え、一緒に「浦添グスク」を歩き、歴史の風景を体感。
- 調べ学習:ゲスト講師、行政職員へのインタビュー、グスク模型、書籍、パンフレット、赤瓦素材等の活用
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準備品 |
- 探検ルートマップ、地域資源解説パンフ等
- ワークシート(各自の記録用紙)
- 「調べ学習」に活用する図書資料、景観素材
- 各自の水筒と帽子(探検活動の際)
- カメラなど
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実施体制 |
- 授業実施/浦添小学校
- 事業主体/沖縄県土木建築部都市計画・モノレール課
- 協力/浦添市都市建設部都市計画課景観まちづくり室
- 浦添市教育委員会文化部文化課
- 企画・進行
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学習の流れ
ふれる(4h)
事前及び事後の指導(1h)
場所 |
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概要 |
- NPOより趣旨説明
- 「校歌」の歌詞にある「古城」、「極楽山」、「三王統」「万里黒潮」など、浦添の地名や由来を学び、身近にある風景に関心を持たせる。
- 「うらおそい歴史ガイド」の親富祖政昇氏から、浦添の風景や“グスクの由来”について講話を聞く。
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児童の反応 |
- ゲスト講師の話をよく聞いていたが、後半(20分過ぎると)、集中力にかけてきた。
- 専門的であったが事前学習の効果もあり、質問が多く出た。
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ゲスト講師にによる「講話」及び、グスク歩きの実施(3h)
場所 |
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概要 |
- 3クラス合同によるグスク探検の安全指導を受ける。1クラス2班、3クラスで6班に分かれて、コースを確認。
- 歴史ガイドとともに「浦添グスク歩き」を体験する。
- 学校のすぐ背後に、由緒あるグスクがあること、様々な人の活動や思いの中に「グスクの風景」が再現されていることに気づく。
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児童の反応 |
- 注意深く観察し、速やかに行動した。
- 「グスクってすごい」、「探検するとわかりやすい」、「もっと知りたい」、各々の気づきの声が活発にあがっていた。
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つかむ(2h)
ウェービング(1h)
課題決め(1h)
場所 |
教室 |
概要 |
- 校歌の情景にふれて、児童の関心や疑問を引出し、”浦添のまちに人を呼ぶにはどうすればいい?“との問いかけにより、課題に応じてグループを編成し、イメージマップづくりを行う。1学級6~7毎のグループに分かれ、各活動計画をたてる。(→赤瓦、浦添城や歴史、街並み道路、公園施設、自然・緑、平和グループなど課題出し)
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児童の反応 |
- グループにより、調査資料の軽重はあるが、各々の関心のもとに、調べる方法や担当、自分たちの約束ごとを真剣に話しあっていた。
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調べる(8h)
ゲスト講師へのインタビュー(3h)
場所 |
体育館 |
概要 |
- 地域の景観やまちづくりに携わる行政や専門家、NPOをゲスト講師に向かえ、グループごとに分かれてインタビューを実施する。(ゲストによる教材活用)グスク模型、赤瓦、古写真集、絵地図、歴史ガイド資料、公園緑地・景観素材パンフ、図書リスト等。
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児童の反応 |
- 講師の話や資料が専門的で、やや難解な点もあったが、全体に根気よくついてきた。
- 模型や赤瓦など具体のカタチ、今昔の風景写真には身を乗り出して興味を示していた。
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グループ独自での話あいと調べ学習活動(5h~7h)
場所 |
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概要 |
- 課題解決にむけてグループ独自で継続して調べ学習を進める。市役所や赤瓦工場(読谷村)などを取材し、まちづくりや景観素材への理解を深める。
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児童の反応 |
- 互いに自分の役割を考え、落ち着いて話あい、資料整理している様子が伺えた。
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伝える(8h)
発表の仕上げ準備と練習(4h)
場所 |
教室 |
概要 |
- 発表制作作業や仕上げを進める。制限時間や声、姿勢に気をつけ発表練習をする。(発信方法)壁新聞、マップ、動画プロモーション、寸劇、創作歌、クイズなど多彩。
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児童の反応 |
- グループごとに工夫をこらし、各々個性豊かに“表現作業”を楽しんでいた。
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発表会(3h)
授業参観日に設定し、保護者や行政、NPOも参加した
場所 |
体育館 |
概要 |
- 進行の確認。
- 体育館全体を活用して、グループごとにブースを設け、プレゼンテーション(7分)を進める。
- 各グループは交代で発表を聞き、相互に評価する。→児童の自主的な進行で、発表後に質問、意見交換し、互いの理解を深めた。
- NPOや行政の人(風景学習支援者ら)からのコメントを頂く。
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児童の反応 |
- 各々に緊張していたが、堂々と発表していた。相手の話をよく聞き、積極的に質問していた。
- 自分のまちへの思いが深まり、「浦添は歴史と伝統ある場所、見に来てほしい」と、発見の楽しさと伝えていくことの大切さを感じとっていた。
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振り返り(1h)
児童の作品 (一部掲載)
壁新聞、動画、絵地図、クイズ、歌劇、粘度模型など、わかりやすく「伝える」
先生の声
実施にあたり工夫した点・苦労した点
- 校歌の歌詞から浦添城や浦添の歴史に関係する言葉を抜き出して、講話を聞き、グスク歩きを行ったことで、地域に対する関心が高められた。
- ゲスト講師を招き詳細な話や優れた資料を得られたことで、有意義な時間を過ごすことができた。
- グループによって差があったので、実態に応じた関わり方を考えるよう心がけた。
- 風景学習の様子がメディアで紹介され、また発表会に保護者や地域の人々を招いたことで、大きな反響があり、児童の自信につなげられた。
- 決められた時間の中での連絡、調整に苦労した。
児童の反応
- グスク歩き、ゲスト講師へのインタビュー、調べ学習を通して、地域の良さに気付くことができた。発表会を通して、もっと浦添の良さを伝え、色々な人が浦添に足を運んでほしいという思いが高まった。
- 資料収集の仕方や様々な発表方法を学習したことで、「伝える」工夫ができるようになった。
教師として得られた点
- 自分たちも知らないことを児童と一緒に学べることができてよかった。住んでいる地域の良さに目を向け、関心を持てるような活動を学習活動の中に取り入れられるように今後も工夫していきたい。